■最近、平家ブームのようです。少なくとも僕が活動する浜松周辺地域は。
プレファブハウスメーカー、工務店が平家商品を出したり、ネットやSNSでも「平家」という文字が増えてきたように思います。
何より、僕自身、設計物件で平家の案件を手がけることが多くなりました。
◼️まず、平家住宅とはどんな住宅なのか。基本条件としてメリットデメリットを整理してみましょう。
◆メリット
①階段がないことにより無駄な行き来が不要
②高齢になっても、すべての部屋を利用できる
③1階が広くなるため、回遊性や中庭など、平面計画で工夫し易い
④家事動線が良くなる
⑤デザイン的に落ち着いた雰囲気となる
①と②はほぼ重複するメリットとも言えますが、これが一番、平屋を求る理由でしょう。
③、④は、間取り次第ですが、1階に要素が多くなるので、工夫して楽しい間取りにしたり、家事動線を良くできる可能性は高まるということです。フリープランを売りにする建築設計事務所としてはここで差をつけたいところです。
⑤は好みの問題も大きいのですが、「なんとなく平家の雰囲気が好き・・」という方も多くなってきていると思います。
■次はデメリットも見てみましょう。
◆デメリット
①建築面積が大きくなるため、敷地も大きく必要となる
②面積あたりのコストが高くなる
③個室とリビングなどの家族空間とのプライバシーが取りにくい
④吹き抜けなどの立体的な空間利用ができない
①は敷地選びについて。浜松地域のような多種多様な敷地条件が存在する地域は、広い土地もありますが、広さを条件にする場合、当然、同じ価格ならば他のマイナス面が発生します。
また、静岡市のように、都市部ですが、周りを山に囲まれ、市街地が少なく、全体的に住宅の人区画が小さめの地域（都会的な地域）の場合は、基本的に上に積むのが一般的にと思われるので、いずれにせよ土地の広さはシビアな検討が必要ですね。
②も意外と勘違いされていることですが、同じ広さの家ならば平家の方が高くなります。詳細は他の機会にブログでお伝えしようと思いますが、お急ぎの方はお問い合わせください。
③は間取り次第ですが、廊下などを設けず効率の良い間取りにしようとすると、部屋が隣り合わせになりがちです。
こんな感じです
最近人気の平家ですが、デメリットも多いということです。
◼️そこで、そんな平家のメリットを生かしデメリットを補うシープからの提案ですが、「半分平家」はどうでしょう？「ハーフフラットプラン」とでもいいましょうか。
もちろん平家が最高！という考えもありますが、敷地やコストでお悩みの方、ちょっと視点を変えて、ハーフフラットプランも検討してみては？
初めて、注文住宅を求める子育て世代のファミリー対象ですが、夫婦の主寝室を1階に設け、子供室のみを2階に設けるプランです。
メリットとしては、
①夫婦が高齢になったときにも2階に上がる必要が最小限で済む。
②建築コスト、必要な敷地面積は、総2階と平家の中間。
①の高齢になり、万一、階段を上り下りするのが難しい健康状態となったとしても生活できる間取り、つまり、1階で完結するプランということは、長く家を利用するうえでとても大切な要素です。
２階に子供室を残すことについて。平屋を検討されている方は将来利用できなくなることを心配されるかもしれません。しかし、子供たちが巣立った後には納戸にしたり、子供室として残して置いたり。使用頻度が減るので、２階にあるデメリットは、減ってくると考えられます。
▼基本的なゾーニングの例（ボリュームイメージ）
間取り、家事動線、外観デザインなどは、住まい手のこだわりはもちろん、敷地条件や家族構成など、物件ごとの条件次第です。
2階があることで、デザインの幅が広がる場合もあります。
もちろん平家が最高！という考えもありますが、敷地やコストでお悩みの場合、ちょっと視点を変えて、ハーフフラットプランも検討してみては？
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